釣り用レインスーツ。買ったばかりの時は、水しぶきが玉になって表面を転がっていたのに、いつのまにかねちゃ~って染みつくようになっていませんか?
もしそうなら、撥水性能がかなり低下しています。
買った時のような撥水性能を取り戻したい!ってかたは今回紹介するメンテナンスを参考にしてください。
まちがった方法でメンテンナンスをすると、よけいに撥水性能が低下してしまいますので、正しいメンテンスを行ってくださいね。
釣り用だけでなく、登山やスキーなどで活躍するウェア全般で使える方法です。

このブログは勤続26年目になる現役の釣り具店員が、長年の知見をもとに、釣り関連の記事を更新しています。
釣り用レインウェアの基礎知識

メンテナンスの説明の前に、釣り用レインウェアの基礎知識を紹介します。
釣り用のレインウェアには、大きく2つの役割、性能が求められます。
- 水の侵入を防ぐ防水性能(耐水圧)
- 中の水蒸気を外へにがす透湿性能
釣りは体を思った以上に動かしますので汗をかきます。
防水性能が高いだけだとムレて中がびちゃびちゃになってしまいます。中の水蒸気を外に逃がす透湿性能が重要になるのです。
単純に、高額、高品質のものほど、ムレがなく快適に釣りができるレインスーツとなります。
このように、防水性と透湿性をかねそなえた素材を、透湿防水素材とよびます。
有名なのは「ゴアテックス」です。一度くらいは聞いたことあるのではないでしょうか?
ダイワさん、シマノさんともに、自社ブランドの透湿防水素材をもっていますが、いまのところゴアテックスが、最上位素材。
1番高額なレインスーツには、ダイワさんシマノさんともにゴアテックスを採用しています。
これらの素材機能は経年劣化します。
これはどうしても避けられないので知っておいてください。
ただ経年劣化以外の要因は、メンテナンスをすることで性能の低下を遅らせることができます
経年劣化とはべつに、著しく性能の低下がみられるのが、表面につく潮やよごれ。
防水性能を補助する撥水性能が低下します。
今回紹介するメンテナンスでは低下した撥水性能を復活することができます。
防水と撥水の違い!撥水のメカニズム
「防水」と「撥水」同じような意味にとれますが、以下のような違いがあります。
▶撥水・素材の表面で水をはじくこと
▶防水・素材の裏面で水を侵入させないこと
水しぶきが素材の表面で、水玉になって転がるのをみたことありますよね?
あれが撥水です。

撥水性能がたかければ素材自体に水が届いていないため、当然防水性能もたかくなります。
ハスの葉にあるような「撥水基」と呼ばれる水を弾く分子の突起が、表面に設置されています。
この「撥水基」は水の分子より細かいため、水玉となり弾くことができます。

撥水性能の低下は、この「撥水基」が、摩擦や汚れなどで倒れてしまうことで起きるのです。
水の分子が素材の表面にふれると、毛細管現象で玉が崩れ、表面に広がりやすくなります。

この倒れた撥水基を立ててやることによって、撥水性能が回復するというわけなのです。
レインウェアのメンテナンス方法
具体的なメンテンス方法を紹介します。
基本的に他の洗濯物といっしょに洗わないでください。脱色や移染の可能性があります。
①20分ほど30度以下の水につけてください。
②汚れを浮かせて手洗いで全体を洗います。洗剤を使用する場合は中性洗剤を使ってください。
③目立つ汚れがあるところへは、直接中性洗剤をつけて軽く押し洗いをする。決して強く生地どおしを擦り合わせて洗ってはいけません。生地への負担が大きいです。
汚れがういたら、洗剤をすすぎます。洗剤がのこって表面に付着すると、撥水性がおちますので、充分に洗い流してください。
よ~くすすいでくださいね。
撥水性を回復させるのに撥水スプレーは重宝します。
注意点は、完全に乾いた状態のものにスプレーをしないと意味がないことです。
時々、雨がふってきて濡れた後、あわててスプレーをする方がいますが、効果がでにくいです。乾いた状態のときにスプレーをすることが重要です。
スプレーは屋外で行いましょう。
透湿防水素材に使用できます。ただし、素材がPVC、PUのウェアには使用できないので注意してください。


⑤保管方法
直射日光の当たる場所、車のトランクのなかのような高温多湿な場所はさけましょう。
ハンガーにつるしたまま保管が良いです。小さく畳んだ状態だと素材の劣化が促進されます。
おすすめのアイテム
シマノ・ダイワの撥水スプレーを紹介しましたが、レインウェアメンテナンスでおすすめの商品があるので紹介します。
ロングランヒット商品で、完全に店頭で定番化しており、リピーターがめちゃくちゃ多い。
試しに会社のユニフォームをこのアイテムでメンテしたところ、笑うくらい水を弾いてびっくりしたことがありますよ。

この商品まじで強力です。撥水しなくなったなぁ~っていうレインギアがあるなら、一度試してほしいです。
スプレーなども発売されていますが、断然おすすめするのは、「協力撥水剤」です。
「洗濯用の洗剤」もいっしょに発売されているので、セットで使ってほしいですね。

NIKWAX購入しました。スキーウェアー来シーズンに向けて。#NIKWAX pic.twitter.com/dUeGHlaRZr
— 葱田鯖雄 (@negitasabao) June 15, 2022
#スノーボードウェア の #撥水加工 は皮脂や汗、汚れなどにより失われていきます。
— MILYS STYLE / ミリススタイル (@milysstyle) June 10, 2022
撥水性を失うと、湿気や蒸れを放出する透湿性能を妨げ「ウェアが濡れて寒い!」という状態になります。
撥水加工が落ちたら汚れを洗濯し、撥水剤を使い復活させましょう!#NIKWAX https://t.co/KrhhNgL3Zy
まとめ
初期の性能が少しづつおちていくウェアの防水性を、少しメンテナンスすることによって、長く維持ができるようになります。
安いものではないので、せっかくなら長く使いたいですよね。
ぜひ、参考にしてください。