2022年11月シマノの「オーバーホール依頼方法、特に見積代金に関してのルールが変更になりました。
今回はその変更されたポイントを解説します。
そもそも
- シマノのリールをオーバーホールに出したいけど、どうやって出せばいいの?
- 金額を見てやるかどうか決めたいけど、それもお金がかかるとか?かからないとか?
オーバーホールの出し方が、そもそもわからない方も多いと思うので、最初から解説します。
お使いのリールを長く使う為には、定期的にオーバーホールへ出すのがおすすめです。
仕様頻度にもよりますが、1年に1回はOHをおすすめします。シーズンオフに出すとよいでしょう。
ハンドルが重たくなったり、異音がしたりすればオーバーホールへ出せばいいの?
症状がでてからオーバーホールへ出すと、ほぼパーツ交換になり、高額になりがちです。症状がでていなくても定期的にオーバーホールへ出すことをおすすめします。
この記事ではシマノさんへオーバーホールを出すときの依頼方法を解説します。
シマノさんは2022年11月より見積もり金額提示に対してのルールが変わりました。
過去に、オーバーホールに出したことがある方も、ぜひお読みください。
オーバーホールとは?修理との違いはなに?
オーバーホールと修理は、似ていますが少し違います。
◆オーバーホールとは?
各パーツを分解・洗浄後に注油を行うこと。状態によってはパーツの交換もあり、初期性能を維持する為に行います。
◆修理
不具合のある個所だけを修復すること。
例えば、クラッチが戻らないといった不具合でメーカーさんへ依頼する場合、クラッチ部分だけが修理されて戻ってきます。オーバーホールは行いません。
シマノさんのオーバーホールは2種類のコースがあります
シマノさんのオーバーホールには2つのコースがあります。
フルメンテナンスコースとスタンダードコース
- フルメンテナンスコース
部品の分解洗浄グリスアップに加えて、不具合改善のために、パーツ交換を行います。 - スタンダードコース
部品の分解洗浄グリスアップを行い、パーツ交換は行われません。
気になる症状が特にないけど、定期的にメンテナンスして長く使いたい場合は、スタンダードコースになります。
ごろつき、異音など少しでも気になる箇所がある場合は、全てフルメンテナンスコースとなります。パーツ交換するしか改善する方法がないからです。
各コースの料金
スピニングリール、両軸リール、電動リールで基本料金と上限金額が違います。
フルメンテナンスコース | スタンダードコース | ||
スピニングリール | 基本料金 | 4510円+パーツ代 | 3960円 |
上限金額 | 16500円 | ||
両軸リール | 基本料金 | 4180円+パーツ代 | 3630円 |
上限金額 | 16500円 | ||
電動リール | 基本料金 | 5500円+パーツ代 | 4950円 |
上限金額 | 22000円 |
上記の通り、スタンダードコースはパーツの交換がないので、価格は一律となります。
※フルメンテナンスコースを依頼して、パーツの交換が必要ないと判断された場合、自動的にスタンダードコースに変更してくれます。
上限金額について
フルメンテコースには、最初から決められた上限がありますが、自分で設定することも可能です。
というか、毎回上限金額を聞くようにしています
思ってた以上に高い金額で修理された場合に、キャンセルされると困るからです。
修理をおこなった技術料金は、キャンセルはできないのです。
もし症状がでているなら、パーツ交換がほぼ必要になります。
最低でも、基本料金+3000円以上位で金額で上限を決めてください。
自分がいくらくらいまでなら修理するかリアルに考えて上限金額を決めると良いでしょう。
もし上限金額を超えた場合
ここからが2022年11月より変更になった、見積金額についての新しいルールです。
上限金額を超えた場合、見積もりがいるかいらないかをお客様が選ばないといけません。
- 見積金額を提示してもらう!料金が発生する※1
- そのまま返却してもらう
例えば上限1万円で依頼をして、もしそれ以上の金額となった場合
じゃあいくらなんだろ?その金額によって決めたい!
と普通はおもいますよね?
2022年11月以前はそれが当たり前にできてたのですが、今回から、見積もり作成料として550円(税込)料金が必要になりました。
しかしここからが重要
この見積り作成料金は、そのままOHを実施するとかかりません。
見積書を作成したのにOHをしなかった場合のみ、見積り料金ががかかるということです。
まとめると
つまり、上限を超えた場合に見積依頼をして、高額だった為修理をしなかったとします。
その場合でも、550円(税込)だけは料金が発生し支払わないといけないということです。
釣具店の対応も、もとめられます。
『上限を超えた場合に見積依頼が必要』とした場合、先に見積もり料金を頂いておくという対応になりそうです。
いくら事前に説明をしていたとしても、修理しなかったリールに対して料金が発生することに納得されない方がおられるのです。修理をしなかったということは、そのリールは壊れたままです。見積り料金を払うためにわざわざリールを取りに来られない方もでてきます。
店舗としてはメーカーさんへは支払いをしなければならないので、当然そのリスクを考えると先払いというルールを設けるしか方法がないような・・
このあたりは、実際店舗で確認をとることをオススメします。
OH(オーバーホール)を出すリールの価格帯は?
実際のところ、いくら位のリールならオーバーホールへ出せばいいの?
思い入れのあるリールは価格無視してもオーバーホールだされる方もいます。
予算の関係で判断基準は変わってくるでしょう。
とはいえ
釣具店員の肌感覚でいうと、実売価格で2万円以上のリールというイメージです。
リールの購入金額に対して、OH代金の比率が高すぎるのはどうかと思います。
1万円位のリールを1回3960円(スタンダードコース)のオーバーホールを出すのは、おすすめしません。
長く使うためにオーバーホールをするのですが、2回オーバーホールをすると、少し足せばもう新しいリールを買えるからです。
しかも、その時の最新モデルを購入できます。
あくまで私の結論ですが、ステラやツインパワー、カルカッタコンクエストなどの高額機種は、良い状態で長く使うためにOHをおすすめします。
2万円以下のリールはOHを出すよりも買い替えを意識した方が良いのでは?と思います。
まとめ
今回はシマノのオーバーホールの出し方と新ルールを解説しました。
追記 ダイワさんもほぼ同じルールになりました。なぜこんなルールになったのかを解説
ダイワさんも、オーバーホールのコースは違いますが、見積り料金に関してのルールはほとんど同じになりました。
つまり
見積り作成をしたうえで、修理をしなかった場合でも、見積作成料だけは支払わないといけなくなりました。
シマノさんの見積作成料は550円(税込み)ですが、ダイワさんの見積作成料は1100円(税込)となります。
なぜ、このような見積料金制度になったかを、釣り具店員の立場から説明させていただきます。
実は、今までも「見積り料金の設定」はありました。
メーカーさんに「見積りをしてください」と依頼すると、「○○円でオーバーホールできます」と見積りがかえってきたのです。
もちろん、上記の場合は見積料金が発生していました。
しかし裏技というか、整備されていないルールが存在していました。
そして釣具屋の店員や、古くからの常連さんはそれを知っていたのです。
それは、上限金額を設定して修理にだした場合、その上限金額をこえた場合、無料で見積りがついて返ってくるのです。
わかります?つまり
- 見積りを依頼→見積料金が発生
- 上限をつけて修理依頼→上限をこえれば、無料で見積りがかえってくる
このようなルールがあったので
「いくらで修理できるのか先に金額をしりたい」
となった場合、上限金額をわざと低く設定して修理をだすのです。
当然、その金額では修理できないので、見積りが無料でGETできるというわけです。
おかしな話ですが、これは営業もわかってて黙認してたところもあります。
これでたまったもんじゃないのが、アフターサービスの方ですよね。
- 低い上限設定で修理依頼がくる
- 分解して、必要なパーツ代金を調べて、見積り書を作成する
- お客さんは安易に「高いからやめるわ」
- 1円にもならない
そうです。
アフターの作業が1円にもならない事例が増えすぎたのです。
そして、本当に高い金額でも修理してほしいという方の作業が遅延していきました。
という背景のもと
「リールを分解して調べた分の、最低限の作業量は頂きます」
というルール変更になったというわけです。
ご理解いただけたのではないでしょうか?
実際にOHを実地した場合は、その見積り料金はかからないので、お互い納得できる着地点ではないかと思います。